Costa Rica Cup of Excellence2025 入賞ロット
2025年のコスタリカCup of Excellenceは、2025年5月にウエストバレー、アラフェラ・サンラモンにて審査会が開催されました。今年の総エントリー数は115ロットが提出され、プリセレクションを経て83ロットが5月19日から23日にかけて開催された国内審査会に持ち込まれ、通過上限となる40LOTが86点以上の評価を得て、国際審査会へ進出しました。翌週5月26日から29日にかけてCup of Excellence国際審査会が開催され、見事に30ロットがコスタリカCup of Excellenceを受賞しました。
今年もコスタリカCup of Excellenceでは、【Washed】【Honey&Natural】【Experimental】の3つのカテゴリーに分けられ、それぞれのカテゴリーにおいて10ロットがCup of Excellenceを受賞しました。オークションは7月8日に開催され、中米の中でも非常に人気の高いオークションとなりました。
Don Joel
ドン・ホエル農園のマイクロミルは、2011年に創設されました。名前の由来は、アラン・オビエド氏の父、Juelio氏のニックネーム 「Joel」からとりました。農園面積は10ヘクタールで、マイクロミル創設から3年後の14/15クロップの生産量は15トンを超えました。 このコーヒーは、ウェストバレー San Luis de Grecia の特有の気候によりそのコーヒーのキャラクターがつくられ、農園主のアラン氏は日々品質改善に努力を惜しみません。ドン・ホエル農園はアラン夫婦とその息子の3人で主に運営しています。収穫期には家族総出で作業をしています。ドン・ホエル農園では、より良い品質のコーヒーを生産するために情熱をもって色々な取り組みを行っています。新しいプロセスを学び、新しい品種に取り組み、土壌の改善と保全に取り組み、クライアントに素晴らしいコーヒーを提供します。
今年、彼らはコスタリカ国内のブルーフラッグ認証プログラムへの参加し、三つ星を獲得しました。この認定は、環境の保全やサスティナブルな活動に対して国内の様々な分野を横断して認証を行っており、ドン・ホエルは彼らの環境保護、土壌保全、持続可能な農業実践が高く評価されました。
また、カップ・オブ・エクセレンスプログラムを通じて得た貴重な知見は、より優れたコーヒーの栽培と効率的な加工に活かされています。これによりコーヒーの特性を最大限に引き出し、卓越した品質を確保しています。
今後の取り組みとして、ドン・ホエルの土地において渡り鳥のエコロジカル・コリドー沿いに位置していることを踏まえ、在来樹木の植樹に注力します。これにより、在来種と渡り鳥の両方に、生息地と食料源を提供し、生態系の持続可能性を高めようと計画しています。

品種とプロセス
SL28 はケニアの品種として有名ですが、中米コスタリカに持ち込まれたのは21 世紀初めころ、スターバックスがコスタリカ・ウエストバレーの生産者に手渡したことに始まります。San Roque=サンロケとはSL28の一種に対する通称としてコスタリカで広く伝わっています。2015 年にLeoncio 農園のSL28品種がCOEで優勝し、ゲイシャに次ぐ高級品種として中米各国に広まりつつあります。
ドン・ホエルも2022年のCup of Excelenceにこのケニア種を出品し、見事に15位に入賞を果たしました。ケニア品種を武器に第一線で活躍する生産者の1人として匠の技を実践しています。
今回Cup of Excellence2025 Experimental部門4位に入賞を果たしたこのロットは、下記のようなプロセスで生産されています。
本ロットのプロセス詳細
(1)まずチェリーを果肉除去する
(2)その後、ミューシレージをつけたまま、蓋なしのタンクで休ませます。
※この工程が72時間と長く、涼しいところで行うことにより、行き過ぎた発酵を抑えています。
(3)その後、ミューシレージを部分的に洗い流してから、アフリカンベッドで乾燥
エクスペリメンタル・カテゴリーは、実験的な新しいプロセスと認識されることが多いですが、コスタリカの場合には、ウォッシュド・ハニー・ナチュラル以外という意味合いで、いわゆる典型的なプロセスを行わない場合にはエクスペリメンタルに分類されています。本ロットも(2)の工程や、(3)のミューシレージを発酵工程上で分解させているが完全に洗い流さず除去しきらない点などが、エクスペリメンタルカテゴリーにアランが提出した理由です。
・ コスタリカCOE2025 Experimental部門4位(Score88.94 / Top of top)
- ・ロット詳細→ACE Webサイト


