エイジングと飲み頃について。
SPECIALTY COFFEE BEANS × AGING
スペシャルティコーヒー × エイジング
コーヒーの飲み頃は一般的に、焙煎後2日~2週間前後、それ以降は酸化が進んで不味くなる、と言われる事が多いと思いますが、それはあくまで一般論で、特にスペシャルティコーヒーに関しては、必ずしも当てはまる訳ではありません。
そもそも、コーヒーの飲み頃、賞味期限に明確な定義は無く、ロースター、ショップによってその期間は様々です。
今回はスペシャルティコーヒーの飲み頃と、賞味期限と、そしてエイジング(熟成)ついて、極力シンプルに解説していきます。
エイジングとは
焙煎後のコーヒーを、一定期間寝かせる事(熟成)を言います。
エイジング期間を設けることによって、焙煎で生成される不要なガスなどを放出させます。そうすることにより、ガスによって抽出が阻害される事を防ぎ、また、香味成分の経時変化を楽しむ事ができます。
よく「焙煎から2日以降が美味しい」と言われますが、これも2日間エイジングを行っていると言えます。
飲み頃と賞味期限
飲み頃と賞味期限は、焙煎へのアプローチと焙煎度でほぼ決まります。
例えば、浅めに焙煎した場合は、生成されるガスも少なく、深く焙煎した場合に比べ、細胞の破壊(ガラス転移現象などによる)も進んでいないので、結果的に香味成分が抜けにくく、飲み頃が長期間続きます。焙煎を進めていくと、ガスの生成量や細胞の破壊も進むので、ガスの放出と共に香味成分の揮発も早く、結果的に浅煎りに比べ、深く焙煎したコーヒーの方が、美味しく飲める期間が短くなると考えられます。
浅煎りと深煎りのコーヒーでは粉の膨らみ方が違います。その事からも以上の事が、感覚的に分かるかと思います。
「飲み頃」とは、エイジング期間も含めて、フレーバーが最も楽しめる期間です。この期間を過ぎても充分美味しいですが、香味が徐々に失われ、ネガティブな成分に置き換わっていくので、賞味期限(豆のままの状態で、焙煎日から、浅煎り〜中煎り : 60日 / 中深煎り〜 : 45日)までに飲み切るようにしてください。賞味期限内に飲みきれないようであれば冷凍保存をお勧めします。
THE WORD COFFEEでは現在の焙煎アプローチでは、常温保存(豆の状態)の場合、浅煎りから中煎りまでは焙煎後1~3週間、中深煎り以降は2日~2週間が飲み頃と考えています。
前述したように、飲み頃、賞味期限は焙煎のアプローチに依ります。 THE WORD COFFEEの設けた飲み頃と賞味期限は、THE WORD COFFEEで焙煎したコーヒーだけに限定されると考えてください。そして、私たちの焙煎したコーヒーであっても、焙煎アプローチが変われば、当然ですがその時の飲み頃と賞味期限も変わります。
簡単にまとめましたが、スペシャルティコーヒーは高品質であるがゆえに、その豆の持つ個性的なフレーバーにフォーカスした焙煎を行うロースターが多く、結果的に浅煎りから中煎りで提供される事が多いため、エイジング期間などを含め、比較的長期間楽しめます。
コーヒーに求めるものや感じ方は人それぞれ。1週間目より2週間目の方がより甘味を感じたり、3週間目にはそれまで感じられなかったフレーバーが感じられたりと、エイジングを行う事で好みの味わいを探す事ができるのも、スペシャルティコーヒーならではの楽しみ方の一つではないでしょうか。
-以上は一般的な品種に関しての話ですが、大粒な品種(パカマラなど)では更に長くエイジング期間が楽しめます。