ゲイシャの淹れ方と、浅煎りCoffeeと。

ゲイシャの淹れ方と、浅煎りCoffeeと。

How to Brew : Geisha +

ゲイシャや浅煎りCoffeeの美味しい淹れ方

 

今回はゲイシャ種やその他の浅煎りCoffeeを、より美味しく淹れるための少しの工夫と、実際にTHE WORD COFFEEで行なっている浅煎りCoffeeの調整に於けるアプローチや基本的な考え方の一部を簡単にご紹介します。

 

PANAMA GEISHA : TOP LOT COLLECTION

 

品種や精製方法によって抽出を調整する

 

GEISHA : ゲイシャ種

ジャスミンを思わせる、フローラルで華やかなアロマが特徴的なゲイシャ種。特にパナマ・ゲイシャの強く繊細なアロマ、フレーバーは特別で、数多あるスペシャルティコーヒーの中でも最も優れたカップクオリティを誇ります。

一方で、繊細なゲイシャ種は抽出方法を間違えると、香りは良くても、どこか物足りないカップになりがちです。

ゲイシャ種のアロマ、フレーバーをより強調するためには、いつもより湯温を少しだけ高く、ボディ(濃度感)を求めるのであれば粉を少しだけ多めにしてみてください。

 

ANAEROBIC+ : アナエロビック他

アナエロビックプロセスや、特殊発酵プロセス等は素材の個性をより強調する目的で行われる精製方法ですが、通常の方法で精製されたCoffeeに比べて強い香味を持つため、いつも通りの抽出レシピだと重く、くどいカップになりがちです。そのように感じた場合は、いつもより少しだけメッシュを粗めに、または比率を変えてみてください。湯温を下げることも効果的です。

その他、ショップではナチュラルやウォッシュド、または品種などによって抽出を微調整してご提供しています。

 

Coffeeの持つ個性的で特徴的なフレーバーの全てを、出来うる限り一杯のカップの中に表現するため、銘柄ごとに抽出方法を僅かに調整する。それは湯温だったり、メッシュ(粉の粒度)だったり、比率だったりと、様々です。

僅かな調整で、フレーバーが大きく変化することがあるのも浅煎りCoffeeの魅力の一つと言えるでしょう。

HOW TO BREW : HARIO V60 

 

 

浅煎りCoffeeへのアプローチ

 

基本

Coffeeの成分(風味)は大まかに、酸味→甘味→苦味→雑味の順で抽出されます。

透過式ドリッパーを用いた場合、酸味を強調したいのであれば2分以内、甘味まで引き出したいのであれば3分以内に抽出を終えます。浅煎りCoffeeの場合、苦味の成分は僅かで、3分以上抽出に時間をかけてしまうと雑味が出てきてしまいますので、自分好みの味わいになるよう抽出時間を調整してみてください。

また、粉と湯の比率をブリューレシオと呼びます。抽出において重要な変数です。スペシャルティコーヒーの場合、ドリップなら1:15~1:16(粉:湯)が一般的なレシオとなります。この値は焙煎度や品種、抽出器具、レシピによって変わりますが、先ずはこの値を基本として、そこから少しずつ好みの味わいになるよう調整してください。

 

 

味覚

ヒトの味覚が最も風味を感じ取る事ができる温度は70~60℃前後と言われています。一般的に浅煎りCoffeeは高温(90~95℃)で抽出します。カップに移した直後であっても美味しいのですが、熱いCoffeeはアロマやフレグランスを楽しみ、適度な湯温に下がってから口にする事でカップの中に含まれる全てのフレーバーを充分に感じ取る事ができるでしょう。

 

エイジング

焙煎の浅いコーヒー豆は細胞が硬く、焙煎時に生成される、抽出を阻害する原因となるガスなどが抜け難いため、焙煎から1週間ほど寝かせる(エイジング)事をお勧めします。

 

ほんの少しだけ、そのCoffeeに合うように敢えてアプローチを変えてみる。それだけでいつもより美味しい浅煎りCoffeeを淹れることができるかもしれません。

 

-上記の抽出方法はTHE WORD COFFEEのレシピに基づきます。

 

 

ゲイシャ種について

1931年にエチオピアのベンチ・マジ地区、ゲシャ村付近で発見された、エチオピア在来種です。ケニアを経由して、タンザニアからコスタリカに持ち込まれ、最終的にパナマに伝わりました。パナマのゲイシャ種栽培は1960年代頃から始まりましたが、育成自体が難しく、その上様々な要因により40年ほどの空白が生じました。転期を迎えたのは2004年。パナマのピーターソンファミリーが「Best of Panama」のコンテスト、オークションにゲイシャ種を出品したところ、その驚異的なフレーバーから非常に高い評価を受け、オークションでは1ポンドあたり20ドルという過去最高額で落札されました。その後もパナマのゲイシャ種は高額で落札され続け、高値であるにもかかわらず、今なお世界中のコーヒー愛好家を魅了し続け、現在では世界各地で栽培が行われています。

 

ブログに戻る