COFFEE BREW RECIPES & EXTRACTION
COFFEE BREW RECIPES + EXTRACTION
レシピ集 + 抽出の原理
今回はTHE WORD COFFEEが公開している抽出レシピ集と、ご自身でレシピを調整する際に役立つ、最低限知っておくべき3つの基本的な抽出原理ついて、極力シンプルにお話します。
THE WORD COFFEE レシピ集
1 : ドリッパーを使用したドリップの抽出レシピ
2 : その他の抽出器具を使用した抽出レシピ
3 : 急冷式、水出し式のアイスコーヒーのレシピ
4 : ディップスタイルコーヒーバッグ用レシピ
・HOT
・ICED
Coffeeの抽出の原理と基本
1 : 抽出される成分の推移
Coffeeの成分は大まかに、酸味 → 甘味 → 苦味 → 渋みや雑味などの順で水に溶け出します。
抽出される成分が推移していく過程の、任意のタイミングで抽出を終える事で味わいをコントロールします。
例えば、酸味のCoffeeがお好きであれば浅煎りの豆を使用し、酸味〜甘味が抽出される範囲内で抽出を終えます。苦味のCoffeeがお好きであれば、中深煎り〜深煎りの豆を使用し、苦味を引き出し、雑味が出る前に終えます。
2 : 抽出効率
一般的に、抽出される成分の液体への移動の量と速さを抽出効率と表現します。例えば、同じ抽出時間で抽出効率を比較した場合は以下のような結果になります。
・抽出効率が高い=成分の量と移動が早い=液体強度、濃度が高くなる
・抽出効率が低い=成分の量と移動が遅い=液体強度、濃度が低くなる
抽出効率を調整する代表的な方法が湯温と粉の粒度の調整です。大まかに、湯温を高く粉を細かくすれば抽出効率は上がり濃い液体に、湯温を下げ粉を粗めにすれば抽出効率は下がり薄い液体になります。
この抽出効率の原理を踏まえ、必要に応じて様々に変数を加えつつレシピを調整していきます。
3: 抽出器具による成分の出方の原理
・透過式、浸漬式、半浸漬式
抽出器具はCoffeeの味わいに大きく影響する、最初の重要なファクターです。ご自身がどんな目的で、どのようなCoffeeを表現したいかによって、最適な抽出器具を選択する必要があります。
・ V60などの1つ穴の円錐ドリッパーでは、湯を注いでいる間、成分が水に移動し続けます。これを透過式と呼びます。表現の幅が広く、フレーバーの輪郭が明確になる傾向があります。
・ 2〜3つ穴の台形ドリッパーはその構造上、抽出される液体の落ちる量が制限されます。また、ドリッパー内に湯が溜まることにより成分がやや飽和状態になり、過抽出(成分が出過ぎる事)が起こる事が比較的少なく、マイルドな味わいになる傾向に。これを半浸漬式と呼びます。
・ フレンチプレスやディップスタイルコーヒーバッグ等は、粉を湯に浸し成分を抽出します。これを浸漬式と呼びます。時間経過と共に、飽和状態になると成分推移が滞るため、雑味が出にくく、マイルドな味わいになります。
*飽和状態=液体成分濃度が全体的に均衡状態になること
透過式は抽出技術がある程度求められるため、上級者向けと言えます。一方で表現できる幅が広いため、好みの味わいを追求することに関しては最適な抽出器具と言えます。
半浸漬式は湯が落ちる量をドリッパーが調整してくれる為、初心者向きと言えます。また、再現性が高いため、プロユースでも多く使用されます。
浸漬式が最も手軽で、誰でも同じ味わいのCoffeeを淹れる事ができます。カッピングなども浸漬式で行われます。(厳密には、カッピングではネガティブな成分評価も行うため、フレンチプレス等とは少し異なる方法で行われます)デメリットとしては、透過式のように細かな味わいの調整や表現が難しい事です。
蒸らし時間を含め、抽出にかかるトータルの時間と成分の推移は、抽出器具と抽出効率の原理を基にレシピを組んだ結果として、自ずと決まっていきます。
基本となる抽出原理ついてシンプルに解説しましたが、意外と見過ごされがちなこの3つの原理を理解した上でレシピを考えた時、抽出がうまくいかず狙った味わいにならない、原因が分からない等々で悩まれている方にとっては、新たに見えてくる事があるはずです。
"最も美味しいと思えるCoffeeは、自分自身にしか淹れる事はできない"
THE WORD COFFEEではこの考えを基に、ご自身で抽出をする際に調整しやすいよう、変数を極力省いたシンプルなレシピを追求し、公開し、抽出に関する様々な情報をBlog等で発信し続けています。
今回の記事で、少しでもあなたが最も美味しいと思えるCoffeeを見つけるためのレシピ探しの参考になれば幸いです。