CHAPTER 2
PERSPECTIVE.
霞んだ月と、凍えた空は
致死量の声に覆われていた。
過去の破片が
無数に降ってきて
遮ろうとする指や
なにもかもをすり抜け
意識の深くに
沁み入った。
螺旋を描き
騒がしく、抉りながら
繰り返し、繰り返し
現れては、消え
現れ
絶え間なく
長く続いたそれは
ひとつの世界と
等しいすべてを
終わらせようとしていた。
混沌とした
秩序のひずみに
取り残されていた。
意識の外の、内側で
ひとひらの透明な葉が
永遠が破綻した淵で
伝った雫に
薄く触れ、響いた。
凍りついた手で
微かに呼吸をしていたそれを
器に、集めた。
そこには確かな感触と
温もりの射す空が
ゆらり、浮かんでいた。
質量のない声は
想像と世界の隙間を
煩く彷徨うだけで
なにも超えることはできなかった。
器に浮かぶ葉は
ゆらゆらと揺れながら
すべてを超えて
響き続けている。
逆さの空が、流れている。
CHAPTER 3 / To be continued.