IDENTITY:THE WORD COFFEE
IDENTITY:THE WORD COFFEE

世界と世界の接点として。
「THE WORD COFFEE」に辿り着いたのは、これまでに触れてきたもの、心を動かされた出来事、積み重ねてきた時間。そのひとつひとつが今につながっていることを考えると、必然だったのだと思います。
私たちは、意思や想いなどを言葉によって伝えます。
一方で、記憶の奥に残る風景や、圧倒的な美に触れた時の感覚、理由もなく惹かれてしまうものなど、言葉だけでは捉えきれないものも存在します。
例えば、ある種の芸術や詩的な表現に、なぜか惹かれることがあります。
言葉では捉えきれないものを表現しようとすると、ときに自然と抽象的な表現になります。そこに生まれる余白に、受け取る人自身の世界が映し出され、より深く響く。
私自身、心を深く病み、世界との接点が失われそうになっていた時期、誰かが残した言葉や音楽、映像、絵や風景などの表現に触れることを無意識に求めていました。
それらは私を救おうとしていたわけではありません。
ただ、そこに存在していただけです。
けれど、その中にあったいくつもの「何か」との出会いが、止まっていた時間を少しずつ動かしていきました。
Specialty Coffeeとの出会いの記憶もそのなかに含まれていました。
そこには、様々な土地や生産者、ロースター、それぞれの物語がありました。幼い頃から親しんできたCoffeeとは別の、何気ない日常のなかで出会った、概念を一瞬にして変えてしまった特別なCoffee。
一杯の中に広がる世界と、その味わいに心を動かされました。
そうした出来事の積み重ねの先で「WORD」が店名に入ったのは、ごく自然なことだったのだと思います。
ここでいう「WORD」は、単なる「言葉」を意味しません。
言葉は、意思や情報を伝えるための記号でもあります。一方で、記号としての言葉を越え、葉のようにひとつの実体を持って、誰かの心のなかを舞っていくものを「言の葉」と表現しています。
言葉にならないものを表現することは、芸術や創作だけに開かれたものではありません。例えば、Coffeeを淹れることもまた、誰かの世界に触れるための表現となるかもしれません。
私が実際に経験したように。
日々の営みの中で生まれたものが、それぞれの記憶や経験と共鳴し、言葉を超えた「何か」として心に触れることは、誰にでもある経験なのではないでしょうか。
THE WORD COFFEEのロゴは、風に吹かれる葉をイメージしています。
パッケージのイラストには、世界から世界へと渡っていく「言の葉」を表現しています。
そこで生まれたものが、どこへ辿り着き、何になるのかは、受け取った人に委ねられます。
私たちが紡ぐものは、この世界のほんのひとかけらにすぎないかもしれません。
それでも、そのひとかけらが誰かの世界に触れ、何かを生み、更に紡がれていく。
そうした確かな瞬間が重なっていき、それぞれの風景は形作られていくのではないでしょうか。
「THE WORD COFFEE」
Coffeeと共に、様々な表現を通して「言の葉」を紡ぐ場所。
ただ触れて、感じる。
それだけでも、価値があることなのかもしれません。
世界から世界へ、「何か」が渡り、その先でまた「何か」が生まれていく。
その接点として。